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高齢者の栄養のこと

●高齢者が積極的に摂るべき栄養素とは?

~フレイルやサルコペニアの予防・改善には栄養が必要~

健康を保つ為には、様々な食品群の食品・食材を満遍なく食べることが大切です。しかし、高齢になると病気や加齢による食欲不振から食事量が減ったり、偏った食事になったりすることで、実は必要なエネルギーや栄養素を十分に摂れていないことが少なくありません。栄養不足は筋肉量が減少するサルコペニアの原因にもなり、サルコペニアによって基礎代謝が低下し、エネルギー消費量が減れば、食欲や食事量も低下して低栄養となり、さらに活動度が落ちるという悪循環(フレイル・サイクル)へとつながります。要介護状態になるリスクを減らすためには栄養が必要なのです。

~タンパク質とビタミンDをしっかり摂ろう!~

特に高齢者にとってほしいのが、タンパク質とビタミンD、そして油(脂肪酸)です。タンパク質は筋肉や臓器などを構成する主要な成分で、生体機能を調節する酸素やホルモン、抗体をつくる役割も担っています。ビタミンDは骨の健康に不可欠なだけでなく、さまざまな細胞の代謝にも関与する栄養素です。油には高齢者に最も大事なエネルギーを補うほか、健康に良い機能を併せ持つものがあることがわかっています。フレイル予防にこれらを意識的に摂るよう心がけましょう。

なお、フレイルの人は亜鉛などのミネラルやビタミン類の血中濃度が基準値を下回ることがよくあります。これは単に栄養摂取不足を反映するものであって、上記のように「補充することに価値がある」ということとは意味が違います。欠乏症状がある場合は別ですが、その他の栄養素については単独で摂取をすすめるだけの十分な科学的根拠は今のところ得られていません。

●タンパク質はどう摂ればいい?

~推奨される摂取量はどのくらい?~

フレイルやサルコペニアの予防・改善には、筋肉量、筋力、身体機能と強く関連するタンパク質を十分に摂ることが重要です。高齢者(65歳以上)のタンパク質の推奨量は体形や身体活動量にかかわらず、男性は1日60g、女性は50gを下限※1としています。言い換えれば、1日に体重1kgあたり1.0~1.25g以上のタンパク質を摂取する必要があるということ。一見簡単なようですが、今元気な地域在住高齢者でさえ、多くは1g/㎏体重/日も摂れていないのが現状です。※1厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」に準拠

では、タンパク質は食材にどのくらい含まれているのかというと、肉類の場合、鶏ささみ(若どり・生)100gで23.9g、和牛ひれ(生)100gで19.1g※2。料理方法なにもよりますが、50g以上のタンパク質を摂るには軽く、250g程度の肉を食べなければならない計算になります。※2文部科学省「日本食品標準成分表2020年度版(八訂)」に準拠

~タンパク質の合成にはエネルギーが必要~

私たちは食事で摂取したタンパク質をいったんアミノ酸に分解し、それを吸収して自分の身体に必要なタンパク質を合成しています。そして、その過程では非常に多くのエネルギーが消費されます。ということは、タンパク質だけを一生懸命摂ればよいわけではなく、それに見合うだけのエネルギーを摂取しければタンパク質は合成できないのです。

高齢者に必要な摂取カロリーは、年齢や性別、身体の活動量によって異なりますが、低栄養の人なら体重を維持できる最低量ではなく、体重が増えるくらいの量が必要です。目標とするBMI(単位:㎏/㎡)の範囲も65歳以上では21.5~24.9※1とためになり死亡リスクを見ても男性の場合BMI26くらいが最も低いことがわかっています。基準範囲以下の人は筋肉量を増やして体重を増やす。それが健康の秘訣といえそうです。※1厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」に準拠

~アミノ酸スコアを活用してみよう~

身体を作るタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されています。そのうち11種類は体内で合成できるものですが、残りの9種類(必須アミノ酸※)は毎日の食事から摂らなければなりません。さらに大事なのは、9種類それぞれの必要量をバランスよく摂取するということ。必要量を満たしていないのものが1つでもあれば、それに合わせたタンパク質しか合成できないからです。そこで、食品に必須アミノ酸がどれくらい満たされているかをわかりやすく示したのがアミノ酸スコアです。タンパク質を含む食品の中でもアミノ酸スコアが高い食品を選ぶことで、効率よく必須アミノ酸を摂取することができます。※ロイシン、イソロイシン、トレオニン(スレオニン)、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、バリンの9種類

●ビタミンDをどう摂ればいい?

~摂取量の目安はどのくらい?~

ビタミンDの1日の摂取目安量は85㎍※1。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやしため100㎍を上限※1としていますが、日常の食事で摂りすぎる心配はほとんどありません。食事で十分に摂取できない場合にはサプリメントなどで補うとよいでしょう。

ビタミンDはカルシウムの吸収を調節したり、骨の代謝を活性化したりする働きがあるほか、筋力や身体機能にも関連していて、不足すると転倒や骨折のリスクが高まります。フレイルやサルコペニア、骨粗鬆症の人は、健常な人と比べてビタミンDの血中濃度が著しく少ないことが知られており、最近では骨粗鬆症(オステオポローシス)とサルコペニアが併存したオステオサルコペニアという懸念も注視されています。※1厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」に準拠

~魚に多いビタミンD~

ビタミンDが多く含まれている食品には魚介類(ビタミンD₃)、きのこ類(ビタミンD₂)などがあります。100gあたりの含有量は、べにざけ(焼き)で38.0㎍、うなぎ(かば焼き)で19.0㎍、干ししいたけで17.0㎍。卵や乳製品にも少なからず入っており、牛乳ならコップ1杯200gとして0.6㎍※2摂取することができます。

ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも生成されるので、高齢者に活動度を高める動機づけとして外出を促すことはとても有効です。※2文部科学省「日本食品標準成分表2020年度版(八訂)」に準拠

上図)文部科学省:日本食品標準成分表2020年度版(八訂)を参考に作成し食品成分データベースhttps://fooddb.mext.go.jp/(2021年4月25日閲覧)

参考資料)Weltec ウェルテック株式会社 「高齢者の栄養のこと」より

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